犬の鼓腸症について症状、治療法、予防法

犬を飼っている人、犬好きの人にとって「鼓腸症」というのは大変恐ろしい病名です。―そして事実、それに値する恐ろしい病気です。この深刻な病気は米国で推定6万匹の犬がかかっており、そのうち33%は結果として死亡しています。鼓腸症にかかるのはあっという間のことで、大変なスピードで更に勢いを増大させます。獣医に連れて行って即座に治療を受けなければ、鼓腸症はたいていの場合命を奪うことになります。ですから、もしあなたの犬が何らかの症状を示したようなときに、この病気についてよく知っていればいるほど、 より適切な手順を踏めるはずです。

正確に言って、鼓腸症とは何なのか?

犬がこの病気にかかると、気体と液体とが急速に胃に溜まってきます。症状が軽い場合には自ら気体を排出することができるのですが、より深刻な症例になると胃が回転し、気体、液体、そして胃の中にある食べ物全部が閉じ込められてしまいます。この状態になると、出口を失った気体と液体とは中に溜まり続け、その結果、中から圧迫されて血管がちぎれ、胃の組織が死んでゆくこともあります。それに加えて、鼓腸、膨張した胃は心臓や主要な血管など周りの臓器をも圧迫し、卒中や循環器系の障害に繋がります。また、胃が回転する時には脾臓もそれに巻き込まれることがあります。

危険信号

鼓腸が始まる時、犬は普通、腹部に不快感を訴えます。落ち着きがなくなり、クーンと鼻を鳴らし、よだれを垂らし、吐き気をもよおす(が吐けない)、といった症状を示すでしょう。そして腹部が通常時よりもかなり大きいのが分かると思います。すぐにショック状態が訪れ、白っぽい粘液性の膜、身体の衰弱、虚脱状態などがその表れです。数分、あるいは数時間の内に病状は悪化します。とにかくそれ以上何も食べたり飲んだりさせないようにし、速やかに獣医に連れて行きましょう。

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治療

明確な診断を下すためには検査と、X線撮影が必要になるでしょう。運が良ければ、軽い鼓腸症で済むこともあります。その場合、獣医師は管か針を用いて胃の中の空気を逃がしてくれるでしょう。しかし、胃捻転であれば状況はより深刻であり、即座に外科手術を行って胃の位置を元に戻し、胃形成術と呼ばれる施術に及ぶ必要があります。

最も危険の大きい犬

大型の、胸の厚い犬種というのが最も鼓腸症に陥りやすいです。ジャーマンシェパード、ラブラドールレトリーバー、秋田犬、ブラッドハウンド、コリー、グレードデーン、アイリッシュウルフハウンド、ニューファンドランド、ロットワイラー、セントバーナード、ワイマラナーといった種がそれに当たります。これらの大型犬が、年を取るにつれてますますリスクは高まると見られています。

あなたが飼っている犬がこの病気にかかる原因になりうる事柄には、その他に次のような物が挙げられます。

  • 鼓腸症を発症した犬と直接の血縁関係がある
  • 食べるのがとても速い、食べる量、飲む量がとても多い
  • 普通より痩せている
  • 恐がりな性格である

予防策

鼓腸症を防ぐには、日々いろいろな食材を与え、速く食べ過ぎないように気をつけてあげることです。心配性であったり恐がりであったりするならば、恐怖心を克服できるような手助けをしてあげましょう。

鼓腸症ではないか、と思えるようならば、様子を見るなどということはせずに、すぐにでも獣医師のもとへ連れて行くことです。

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