成犬は体の60%から70%が水分です。この体液が10%程度減少すると脱水状態になります。体内の水分が急激に減少し脱水状態になると生命の危機といえるのです。この脱水状態は、下痢や嘔吐、熱中症などにより引き起こされます。このときできるだけ早く水分を補給することがとても大切になります。では犬に水分補給のためにスポーツドリンクを与えても大丈夫なのでしょうか?また安全な水分補給の仕方も詳しく解説します。
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脱水症状を改善するためには水分補給と電解質の補給が必要
下痢や嘔吐、熱中症などで犬の体液はとても早く不足してしまいます。とくに小型犬は体も小さいので急激に脱水状態になりやすいので注意が必要です。
脱水状態になるとすぐに水分を補給しなければなりません。ただ失われているのは水分だけではなく電解質(適度な塩分)も同時になくなっているのでこれらを一緒に補給することが大切ですね。
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犬にスポーツドリンクを与えても大丈夫?
脱水状態の犬に水分補給のために電解質を含んだスポーツドリンクを与えるといいのですが、ここで大きな問題があります。
人間用のスポーツドリンクは、人間がスポーツをしたあとの水分補給と同時にエネルギーチャージも考えて作られています。そのため糖分が多く含まれており、犬にとっては糖分が多すぎるのです。
人間用のスポーツドリンクを与えるときには1.5倍から2倍に希釈して与えるようにしましょう。また乳幼児用のイオン飲料は、大人用のスポーツドリンクよりも糖分が控えめなので犬にも飲ませてもいいでしょう。
また最近では犬用のスポーツドリンクが販売されているので犬用を与えると安心ですね。
下痢や熱中症の脱水症状を改善するには経口補水液が効果的
犬用のスポーツドリンクは、健康な犬が運動したあとに飲ませることを考えて作られているので糖分が多く含まれています。下痢や熱中症などによる脱水状態のときには今注目されている犬用の経口補水液がおすすめです。犬用のスポーツドリンクよりも塩分が多く、糖分が少ないことが特徴で体に吸収されやすいでしょう。
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動物病院で脱水症状のときに点滴を受けますよね。軽い脱水状態のときは点滴ではなく経口補水液を飲ませることで水分を補うことができます。この方法だと飼い主さんが自宅でも飲ませることができますよね。犬にとっても点滴よりも負担が少ないことがメリットです。
獣医師の間でも軽症から中程度の脱水症の場合はこの経口補水液を使用することが多くなっています。
上手なスポーツドリンク・経口補水液の飲ませ方
脱水状態のとき
犬が下痢や嘔吐などを繰り返すときは一度にたくさん水分を与えないことが大切です。下痢や嘔吐をしたときに少しずつ飲ませることで点滴と同じような効果が期待できます。
とくに嘔吐のときは、スプーン1杯ずつを少しずつ口に含ませてあげましょう。嘔吐しなければ、獣医師の指示した回数と量を守って犬に与えます。
飲ませすぎに注意
スポーツドリンクや経口補水液は、脱水状態などのときに飲ませるものなので水の代わりになるものではありません。これらは塩分や糖分が含まれており常時飲ませると塩分や糖分のとりすぎになります。
糖分が含まれているので嗜好性がとても高く犬が好んで飲みます。でも飲ませすぎるとかって健康を悪化させることになるので注意が必要です。
とくに糖尿病・心臓病・腎疾患などの病気がある犬は、飲ませる前に獣医師に相談しましょうね。
犬用スポーツドリンクを作ってみよう
水(一度水を沸騰させて冷やしたもの) 1リットル・ミネラルウォーターの場合は軟水
砂糖(あればブドウ糖がよい) 大さじ4と2/1(40g)
塩 小さじ2/1(3g)
これらを混ぜ合わせるとできあがりです。さらにレモンやグレープフルーツなどの果汁を少し加えるとカリウムも補給されます。ただ手作りのスポーツドリンクは冷蔵庫で3日くらいしか保存できません。
また砂糖の代わりにハチミツを使うレシピもありますが、ハチミツは生後1年未満の子犬に与えることができないので注意が必要です。
まとめ
犬が脱水状態になったときにいつでも水分補給ができるように犬用のスポーツドリンクや経口補水液を用意しておくのもいいですね。応急的にスポーツドリンクや経口補水液を与えるといいでしょう。熱中症や脱水症は命に関わるので獣医師の診断を受けることをおすすめします。
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